私本「相続法の未来」は、民事訴訟法第318条(上告受理の申立て)を経て、民法相続を抜本的に改正したもので、著作権を有するものです。
これは、公平で円滑な相続の実現、相続権の侵害を未然に防止すると共に、相続権を侵害された人々の救済を行うことを目的として、簡素な64条にまとめたものです。
弁護士、その他の専門家の方々には、相続に関する紛争の現場での解決方として、ご利用いただけるものと考えています。
相続とは、権利主張の争いのためではなく、遺産分割の基準にのっとった分け合う精神が重要です。
遺産分割の基準で最も重要なことは、遺産の種類や性質、各相続人の職業、年齢、心身の状態及び経済的状況、その他一切の事情を考慮することです。
その上で、法定相続分のような画一的な分割を行うのではなく、親族だからできる生活弱者を助け、奪い合うものではない、分け合う精神が重要なのです。
それによってはじめて、公平な相続が実現するものと考えます。
現在の民法相続は、昭和22年に応急的に改正が施されたものの、家督相続制度のある時代の条文と、民主的な考えの条文が混在しており、もはや時代の流れに耐えることができません。
特に相続権侵害の解決方は重大であると考えます。
そもそも民法884条【相続回復請求権】は、家督相続の権利を争うものをそのまま引き継いでおり、現在の相続権侵害事件(生前贈与による独り占めなど)は解決方が無いままです。
刑法第235条の2(不動産侵奪)
第243条 (未遂罪)
第244条 (親族間の犯罪に関する特例)
これにより、親族間の不動産侵奪など、相続権侵害事件(生前贈与による独り占めなど)が悪質で重大な刑法犯罪であることを明確にするとともに、時効を適用しない未遂罪として、解決することを前提に刑を免除することとしました。
しかしながら、依然として事件の一部が解決されないまま今日に至っており、今現在でも全国に多数の被害者がいると推察されています。
私本「相続法の未来」では、現行民法相続の著作権保護期間が経過し、相続権侵害事件(生前贈与による独り占めなど)が、本来相続回復請求で処理されるべきところ、遺留分減殺請求で処理される誤りを正すために上告受理の申立が規定されましたので、これを機に家督相続に関する条文は全て削除し、相続権の侵害を定義し直し、第34条から第37条に解決方を新設しました。本書によって、皆様の相続権の侵害が未然に防止され、公平で円滑な相続の実現がなされることとなれば幸いです。
平成31年3月20日
相続みらい